大判例

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東京高等裁判所 平成4年(う)482号 判決

被告人 川添達男 外一名

〔抄 録〕

証拠によると、被告人らは、原判示車道(祝田橋から竹橋方面に向かう北行四車線中、中央分離帯のグリーンベルトに最も近い車線)に散水車を停め、タンクの排水口を開けて、ふん尿を勢いよく車道上に流出させたこと、被告人川添は、更に、ポリバケツにふん尿を汲んで、付近に撒き散らしたこと、流出したふん尿は車道上を帯状になって流れ、幅一〇メートルにわたり、四車線のほぼ全面を覆う状態になったことが認められる。

右事実によると、「被告人両名が多量のふん尿を流出させ」たと判示した原判決の事実認定に誤りはない。

また、原判示車道は、自動車等の交通の頻繁な道路であり、ここに前示のように多量のふん尿を流出させるなどした場合、同所を通行する多数の自動車等の運転者が、異常な事態に驚きと不安を感じ、また、できるだけ汚染の少ないところを静かに通行しようとして、一時停止、徐行等の措置をとり、交通が渋滞するおそれがあると認められる。

したがって、右の行為は、道路交通法七六条四項七号の「著しく交通の妨害となるおそれがある」行為に当たるといわなければならない。

なお、道路交通法七六条四項七号の規定は、「公安委員会が、……著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為」を禁止するものであり、同条違反の罪の構成要件として、現に著しく交通の妨害となる結果が生じたこと等を要しないことは、原判決が指摘するとおりである。

その他の所論を検討しても、原判決に所論のような事実誤認はなく、論旨は理由がない。

《中略》

被告人らが車道上に流出させるなどしたふん尿が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律一六条によりみだりに捨てることを禁じられている廃棄物に当たることは明らかである上(同法二条一項)、前示のように多量のふん尿を道路上に流出させる等の行為が、「廃棄物を適正に処理し、生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る」上で有害であることもまた明らかであるから、同法の立法趣旨(同法一条)に照らして考えても、被告人らの原判示第一の行為は、同法二七条二号、一六条二項一号に該当するといわなければならない。

原判決の法令の適用に誤りはなく、論旨は理由がない。

(吉丸 木谷 平)

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